P-1

機体概要
全長:38.0m
全幅:35.4m
全高:12.1m
エンジン:F7-10×4
離陸定格推力:6,100kg×4
基本離陸重量:79.7t
巡航速度:830km/h
戦闘航続距離:約8,000km

搭載機材
情報制御処理器:HYQ-3
音響処理装置:HQA-7(NEC)/HAS-107/HRQ-1(日本無線)/HQH-106
レーダーシステム:HPS-106(東芝)
MAD:HSQ-102(三菱電機)
FLIR:HAQ-2(富士通)
データリンク連接装置:HSA-108(川崎重工)
ESM:HLR-109B(三菱電機)
APU:131-9J(ハニウェル)

P-1
川崎P-1は海上自衛隊の次期固定翼哨戒機として開発された機体である。
海自が保有するP-3Cの後継として2001年より開発が始められ、2007年9月28日に岐阜基地にて初飛行を実施した。
航空自衛隊の次期輸送機C-2と開発リソース及び部品を共有することで、開発費及び取得費の抑制を図ることを開発目標の一つとしている。
なお本邦において開発された航空機としては、兄弟分のC-2に次いで2番目に離陸重量が重い機体でもある。
P-1
P-1は専用設計の機体に専用設計のターボファン4発という、哨戒機としては例の無い構成である。
この構成は近年のMPAに対する経空脅威増大への対応として、飛行速度の増加及び多発化による冗長性確保を目的としたものである。
また高度化するアヴィオニクスの重量増大に伴うペイロード増大を、ターボプロップで実現するのが困難になったという事情もあった。
ターボファン4発の先例としてはNimrodが挙げられるが、同機は旅客機Cometから改造された機体であり開発経緯はP-1と異なる。
専用設計としてはP2V及びAtlantiqueが挙げられるが、両機はターボファン機ではない。
P-1

エンジン概要
全長:2.7m
ファンケース直径:1.4m
重量:1,240kg
推力:60kN/6,100kg/13,500lbs
燃費:0.34kg/hr/daN
バイパス比:8.2

F7-10はIHIによって開発された高バイパス比ターボファンエンジンで、事実上P-1専用のエンジンとして設計されている。
エンジンコアはA/B付き低バイパス比ターボファンエンジンXF5をベースとし、高バイパス比を達成する為の大直径ファンに換えられている。
燃費向上や騒音抑制等の環境性能に配慮する一方で、塩害対策を目的とした素材選択など運用環境への適合も開発目標とされた
P-1
APUにはハニュウェル製の131-9が選択されているが、装備位置は同じ131-9を搭載する737やA320と異なり尾翼より前の胴体内に置かれている。
これは胴体後部のMADブーム及びレーダーアレイとの干渉を防ぐ為の配置で、P-3が採用していた機首下部への配置もレーダーアレイの配置により不可能となった。
ソノブイランチャーはP-3と同様に胴体後下部にチューブを複数本配置する方式であるが、チューブの本数自体はP-3よりも減少している。
一方でチューブのサイズがP-3と異なり一律でなく、機内装填用のチューブは配置角度も異なっている。
機内装填用のうち2本はロータリーランチャ用であり、残りの5本が手動装填用及びフリーフォール用である。
P-1
主翼はオーソドックスな後退角付きのテーパー翼で、フルスパンの前縁スラットとシングルファウラーフラップを装備する。
翼下には8基の武装パイロン用ステーションを有し、それぞれ2000ポンドまでの重量に対応したBRU-47/A武装ラックを装着している。
P-1
主翼面積はおよそ170平方メートルで737やA320より広く、P-3と同程度の翼面荷重値を得ている。
一方で広い翼面積は抗力の増大を招くが、P-1は胴体幅をP-3並みに絞り込むことでトータルの抗力増大を抑制している。
なお主翼構造の外側1/3程度がC-2と共用部品になっており、翼端のESMセンサや航法灯なども共通化されている。
P-1
胴体前下部にはP-3と同様の爆弾倉を有し、魚雷や対潜爆弾などを収納する。
また機首前方及び側面にはHPS-106レーダーシステムの空中線部が配置されており、後部のものと合せて4枚の固定式空中線により全周視程を有している。
HPS-106は東芝と技本によって開発されたもので、単一モジュールによる2波同時送受信や冷媒冷却方式等の特徴を有するXバンドAESAである。
また同社が研究開発を進めていたGaN素子を空中線部に適用しており、16個のGaN素子で構成されるユニットを100列並べてフレームに収めることで単一の空中線部を構成している。 機能自体はISARやSARなどAN/APY-10と同様のものが実装されており、対空目標の捜索捕捉能力や複数アレイの同時運用能力なども有している。
P-1
HPS-106の空中線は非常に幅広のものであるため、機首レドームは一般的な旅客機に比して大型かつ丸みを帯びた形状となっている。
加えて広い前方視界確保のために風防ガラスの面積も広く、P-1の機首形状を決定付ける要素の一つとなっている。
なお風防ガラスもC-2と共通化された箇所である。
レドームの後部には富士通製の光波装置HAQ-2が装備されており、収納方式はP-3と同様に引き倒し式となっている。
風防の前方には能動型敵味方識別装置が装備されており、胴体下部後方のものと対を成す形で配置されている。
機首側面部にはミサイル警報装置も配置されているが、胴体後部にも同様に配置されている。
胴体上部のドームは前方がESMで後方が衛星通信装置となっている。
P-1
尾翼はオーソドックスな形状であるが、垂直尾翼はやや前方に配置されている。
これはレーダーマウント部をより広く取るための措置で、水平尾翼の付根より後部はGFRPモノコック構造のレドームとなっている。
最後端はMADブームとなっており、内部には三菱電機製の磁気探知機HSQ-102が取り付けられている。
三菱電機は一方でCAE製AN/ASQ-508(V)のライセンス権を購入していたが、P-1では採用されることはなかった。
レドーム側面には機首側面同様にミサイル警報装置が配置されている。
なお水平尾翼は主構造をC-2と共通化している。
P-1
操縦系統には光ファイバを用いたFly by Lightを実用機として初めて採用しており、各種アヴィオニクス同士での電磁波干渉を抑制している。
コクピットパネルは大半の部品をC-2と共通化しており、相違点はエンジン系統の操作機器やHUDの有無程度である。
従来公開されていたモックアップなどからHUDは無いと言われていたが、JA2008にてC-2と同じ島津製作所製ものが装備されていると判明している。
P-1
一方でツーマンクルーのC-2と異なり、P-1ではオブザーバー席やフライトエンジニア席が残されている。
コクピットブロックの後方にはTACCO席と航法通信席が配置され、更に4つのセンサ席が横に並ぶ。
搭乗ハッチ前方にはソノブイ装填チューブが並び、後ろには側方監視員席と休息区画が続く。
P-1
P-1のTACCO席からは知識データベース技術、いわゆる人工知能技術に基いた先進戦術指揮システム(ACDS)である情報制御処理器HYQ-3にアクセスすることができる。
HYQ-3のシステムは各センサより取得した情報を分析し、TACCOに対し機の取るべき最適手を提示する機能を有する。
この機能はAegis Command and Dicision Systemと同様に、判断の半自動化によるリアクションタイム短縮とワークロード低減を目的としている。
基本的なコンセプトは研究開発段階から同じ枠組みで研究され、既にSH-60Kに搭載されているHYQ-2と同様のものである。
音響処理装置にはHQA-7が搭載されており、その下部にソノブイ管制装置送信機HAS-107とソノブイ受信装置HRQ-1と記録再生装置HQH-106が組み込まれた構成となっている。
P-1
防衛省装備施設本部はP-1のライフサイクルコストを、2兆2,850億円と見積もっている。
見積もり条件は調達機数を約70機、運用期間を約20年と仮定しており、1機当りでは約326億円となる。
1機1年当りでは約16億円となり、これはFY04におけるP-8Aの約1,629万ドルとほぼ同等である。
調達整備費用は約8,928億円で総LCCのうち39.1%になり、運用維持費用は約1兆895億円で47.7%と見積もられている。
なおC-2と合わせて約3,450億円とされる開発費のうち、P-1側の費用と評価された金額は約1,866億円で総LCCの8.2%であった。
これに試験費用等を含めた金額は約2,474億円で、総LCCの10.8%となる。
この他に構想段階における技術研究費が約553億円、総LCCの2.4%を占めている

収録バリエーション

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無地の基本形
リペイントや改造等に御利用下さいませ
P-1
飛行試験1号機
記念すべき技本カラーの機体
機首に試験用のセンサを装着
P-1
パイロン無しバージョン
初飛行時の状態を再現
P-1
飛行試験2号機
技本ロゴ以外はほぼ量産仕様
P-1
パイロン無しバージョン
6月19日の初飛行時を再現
P-1
量産機カラー
塗装は2号機に準拠

これより先ジョークバリエーション

P-1
幻の青
US-2の真似なんだね
P-1
P-3C風ハイビジカラー
ハイビジといっても部分的に白く塗り分けただけ
P-1
PX-L風もしくはP2V風カラー
下から見ると夜戦塗装みたい
P-1
米海軍風カラー
P-8Aを採用とか言ってる連中への当て付けが原点
P-1
ろいやるえあふぉーすの英国面
別にBAEへの当て付けとかではなく英国病が発症しただけ
P-1
帝國海軍マレー沖にて
ロイヤルネイビーへの当て付けは寧ろこっち
P-1
なちすどいつの秘密兵器
某模型誌に載ってたバルカンクロイツ付きのX-32が元ネタ
P-1
人員輸送型
シートピッチ32インチで150席分
P-1
人貨混載型
多分海自で需要があるのはこっちだろう
P-1
要人輸送型
中古の767を買うくらいならこれにしようよ
P-1
早期警戒管制型
737AEW&Cに対抗してみた
P-1
JSTARS型
本家E-8そっくりとかいわないで
P-1
ろいやるえあふぉーすの英国面
胴体短い方がインパクトあったかな
P-1
空中給油型
こんだけやってもKC-135よりちいさいという